【3月23日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は22日、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の大谷翔平(Shohei Ohtani)が元通訳の水原一平(Ippei Mizuhara)氏から「大規模な窃盗」の被害に遭ったとされるスキャンダルに関し、正式に調査を開始したと発表した。

 大谷の弁護士が所属するバーク・ブレットラー法律事務所(Berk Brettler LLP)が、同選手が数百万ドルに及ぶ窃盗被害に遭い、水原氏が米カリフォルニア州で違法ブックメーカーとつながりがあると告発したことを受け、ドジャースは21日に大谷の長年の通訳で親しい友人でもあった同氏を解雇した。

 米スポーツ専門チャンネルESPNによると、MLBは大谷と水原氏を含む関係者全員の面談を求めるとみられているが、水原氏に関してはすでに同リーグで雇用されていないため、協力を強制することは不可能となっている。

 同法律事務所は今週、違法ブックメーカーのマシュー・ボウヤー(Mathew Bowyer)氏への連邦捜査の中で大谷の名前が浮上したとの報道に関するメディアからの問い合わせを受け、「最近のメディアへの取材に応じる中で、ショウヘイが大規模窃盗の被害者であることが判明し、この件を当局に引き渡すことにした」との声明を発表。それ以降、今回の不可解な騒動が続いている。 

 ESPNは、大谷の銀行口座から「少なくとも450万ドル(約6億8000万円)」がボウヤー氏の関係者に送金されたと報道。水原氏本人を含む複数の関係者はESPNの取材に対して、大谷は賭博をしておらず、その資金は水原氏の借金の埋め合わせに使われたと話している。

 MLBは「選手、審判、球団やリーグの役員および従業員」が野球に賭けたり、他のスポーツへ違法に賭けたりすることを禁じている。またスポーツ賭博自体は米国の多くの州で合法化されているものの、カリフォルニア州ではオンライン賭博などは違法となっている。

 この問題に関し、これまで大谷自身はコメントを出していない。

 一方、CNNはこの日、米内国歳入庁(IRS)がボウヤー氏と水原氏への捜査に乗り出していると報じた。(c)AFP