【3月6日 AFP】オーストリアの標高1200メートルの山中で、不法入国とみられる14歳のシリア人少年が負傷して重度の低体温症に陥った状態で救助された。山岳救助隊が5日、明らかにした。

 中欧諸国が昨年、欧州連合(EU)への移民流入対策として国境警備を強化したことを受け、新たなルートで越境を試みる事例が相次いでいる。

 山中で助けを求める少年の声を聞いた登山者が通報。少年は3日に空路で搬送された。発見されたのは「雪が所々に残り、木が密集した場所」で、「重度の低体温症に陥り、意識がもうろうとしている」状態だったという。

 少年がスロベニア国境付近の山までどのようにたどり着いたのかについて、当局は調査を続けている。

 EUでは昨年、難民認定申請者がシリア、アフガニスタン出身者を中心に100万人を超え、7年ぶりの高水準となった。最も多くの難民を受け入れたのはドイツで、全体の約29%を占めた。(c)AFP