【2月27日 AFP】学校制服の義務化を検討しているフランスで26日、試験導入が始まった。

 仏本土の公立校で、制服が導入されたことはこれまでなかった。

 だがエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は先月、試験導入の結果が良ければ2026年に全国で義務化すると発表。約100校で試験導入を行うとしていた。

 試験導入への参加を表明した自治体は、右派政党所属の首長がいる自治体が多かった。

 南部ベジエ(Beziers)では26日、4校の児童計約700人が制服を着用した。

 そのうちの1校に通うアレクシアちゃん(7)は、制服を着ることで、同級生からの悪口が減るとうれしいと話した。

「たまに『ぶさいく、服がおかしい』と言われるので、少し傷つく」が、今後は「少なくともスカートとシャツ、上着はみんな一緒」と話した。

 子どもたちは、校章が入ったブレザーとポロシャツ2枚、ズボン1本に加え、性別によって短パンかスカートが支給される。1組あたりの費用は200ユーロ(約3万3000円)で、市と国が負担する。

 制服義務化に反対する人からは、資金は公立校の学習改善のために使うべきだとの意見も出ている。

 一方、ベジエのロベール・メナール市長は、いじめ防止の助けとなると説明した。

 同市長は、貧富の差は服装に表れると指摘。制服の導入によって、これが「分かりにくくなる」ことが期待されると語った。

 だが教員組合のSE-UNSAは、制服は「根本的な問題に対する表面的な対策」であり、「子どもの問題や学業不振は一切解決できない」と批判している。

 ニコル・ベルべ(Nicole Belloubet)教育相によると、現時点で92校が試験導入への参加を表明している。

 一方、自治体や学校が参加を決めたものの、生徒や保護者の反対に遭い撤回したケースもあった。(c)AFP