【2月12日 AFP】絶滅の危機に瀕(ひん)するチョウ「オオカバマダラ」の越冬地であるメキシコの自然保護当局は7日、今年は戻ってきたチョウの数が激減していると報告した。

 メキシコ国家自然保護区委員会(CONANP)のグロリア・タベラ氏によると、オオカバマダラが今年の越冬シーズンを過ごしている森林領域は約0.9ヘクタールで、前年に比べ59%縮小している。

 同氏は「繁殖地や移動ルート沿いの生息地における干ばつや高温など、気候変動が大きく関係している」と指摘した。オオカバマダラが夏を過ごす米国やカナダで、幼虫が餌とするトウワタに除草剤が使用されていることも大きな要因と考えられている。

 国際自然保護連合(IUCN)がまとめる「レッドリスト(Red List)」に2022年に加わったオオカバマダラは、カナダから越冬地のメキシコまでの間を4000キロ以上移動する。だが、メキシコでの森林伐採はオオカバマダラの大きな脅威になっている。

 メキシコは環境活動家にとって危険な国の一つで、2020年には違法伐採に抗議していた著名なチョウの保護活動家ホメロ・ゴメス(Homero Gomez)さんが殺害される事件が起きている。

 映像は2018年に撮影されたオオカバマダラの資料映像。(c)AFP