【2月8日 AFP】エクアドルは7日、安楽死を非犯罪化した。中南米で安楽死を認めた国は、1997年のコロンビアに続き2か国目。

 進行性の神経疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の末期患者パオラ・ロルダンさんが昨年8月に起こした訴訟を受け、憲法裁判所が審理し、裁判官9人のうち7人が非犯罪化を認めた。

 憲法裁は「尊厳ある人生の権利を守るために積極的安楽死の処置を施す医師」には、「殺人罪の刑罰は適用できない」と判断した。

 寝たきりのロルダンさんは、昨年11月にはテレビ電話を通じて裁判官らに「安らかに眠りたい。私が経験していることは苦痛と孤独であり、残酷だ」と訴えた。

 判決後の会見では、エクアドルは「少しだけ慈悲深く、自由で、尊厳のある国になった」「人権をめぐる闘いは決して平たんではない」と語った。

 エクアドルはカトリック教徒が多数を占める保守的な国として知られるが、憲法裁は今回、ロルダンさんの主張を検討した結果、「こうした状況にある人に生き続けることを課すのは不合理」だと判断した。

 一方、ロルダンさんの父親は報道陣に対し、「娘がエクアドル社会の遺産となる歴史的な出来事を成し遂げたという満足感はある。だが、その結果は娘の死を招くものだと思うと、心が半分に引き裂かれる」と複雑な心境を語った。(c)AFP