【1月31日 AFP】メキシコの首都メキシコ市にある世界最大の闘牛場で28日、最高裁が闘牛の無期限停止命令を無効とする判断を出したことを受け、約1年半ぶりに闘牛が開催された。多くのファンが詰めかける一方、動物愛護活動家ら闘牛反対派は場外で永続的な禁止を訴えデモを行った。

 闘牛が再開されたのは、収容人数約4万1000人のプラサ・デ・トロス(Plaza de Toros)。観客の49歳女性はAFPに「感動している。ずっと(再開を)待ち望んでいた」と話し、「闘牛文化の重要性」を説いた。

 2022年6月、動物愛護活動家らが起こした訴訟によって、裁判所はメキシコ市内での闘牛の無期限停止を命じ、以来プラサ・デ・トロスでも闘牛が行われていなかった。

 最高裁は先月、無期限停止を無効とする判断を下したが、闘牛禁止の是非については判断を出していない。最終的な判断は、数週間以内に下される見込み。

 この日は、市中心部のロータリーに数十人が集まり、「虐待は芸術でも文化でもない」と書かれたバナーを掲げ、闘牛場に向かって行進した。

 警察は闘牛場に入ろうとするデモ参加者を阻止した。雄牛のマスクをかぶったり、血のりを付けた人もいた。

 NGPアニマル・ヒーローズ(Animal Heroes)の代表ジェロニモ・サンチェス(Jeronimo Sanchez)氏は「闘牛が復活したこと、そして動物の虐待を通じてのみ喜びを追求するこうしたイベントが存続することについて、完全に反対だ」と述べた。

 最高裁の決定を受け、アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領はメキシコ市での闘牛の将来について住民投票を提案している。

 メキシコでは32州で闘牛がすでに禁じられている。(c)AFP