【1月25日 AFP】研究班がこのほど、ミナミシロサイの体外受精に初めて成功したと発表した。この成功により、地球上最後の2頭となったキタシロサイが絶滅を回避できる可能性が出てきた。

 キタシロサイは現在、ケニアの雌の2頭しか残っていない。いずれも出産までこぎ着けることはできない。 

「機能的絶滅」状態にあるキタシロサイを救おうと、国際コンソーシアム「バイオレスキュー(Biorescue)」は、ミナミシロサイの代理母に人工的に育てたキタシロサイの胚移植を試みている。

 プロジェクトリーダーのトマス・ヒルデブラント(Thomas Hildebrandt)氏は、ミナミシロサイへの胚移植に成功したことは「画期的」で「無理だと思われていたことに成功した」と独ベルリンでの記者会見で述べた。

 ただ、移植実験には成功したものの、ミナミシロサイの雄、代理母、胎児は感染症が原因で死んでしまった。飼育施設で起きた土砂崩れが原因で土中のバクテリアが放出されたものと考えられており、あくまで外部要因による死だったという。

 研究班は今後、残ったキタシロサイ2頭の雌から採取した卵子と、死んだ2頭の雄から採取・保存してある精子を使って再び体外受精を試み、ミナミシロサイの代理母に移植する予定で、2年~2年半後にはキタシロサイの赤ちゃんを誕生させるとの目標を掲げている。(c)AFP