■戦闘任務に就く女性増加

「ガザの民間人の安全はできる限り守りたいが、これは戦争だ」とマロムさん。

 マロムさんが派遣されたガザ地区南部のハンユニス(Khan Yunis)では、女性兵士たちがハマスのトンネルを発見したと報告した。街は「破壊し尽くした」。

 10月下旬にガザで地上作戦を開始して以来、イスラエル兵の死者は194人と報告されている。同軍によると、このうち女性は、10月7日にハマスに人質として拉致されたノア・マルシアノ(19)さん1人だ。ハマスは、マルシアノさんはイスラエルの攻撃で死亡したと主張している。

 1948年の建国のために戦ったユダヤ人軍事組織ハガナー(Haganah)でも、女性は重要な役割を果たしていた。

 現在の兵役は18歳からで、男性は2年8か月、女性は2年が義務付けられている。かつて女性は衛生兵や通信兵などに限られていたが、今では戦闘部隊も含め、ほぼすべての部隊に配属される可能性がある。

 今回の紛争開始以前から、戦闘任務に就く女性新兵の数は増加していた。

 シンクタンク「イスラエル民主主義研究所(Israel Democracy Institute)」がまとめたデータによると、戦闘任務に就く女性の数は2013~17年の間に3.5倍と急増した。

 イスラエル国家安全保障研究所(INSS)は、22年の時点で戦闘部隊の兵士の17%を女性が占めていたとしている。

 大隊に所属するマロムさんは、友人やその姉妹から兵役について尋ねられることが増えたという。「18歳になったら戦闘に参加したいと思う女性はさらに増えると思う」

 一方でマロムさんは、紛争終結後の身の振り方については断言を避け、「わが軍がこの戦争に勝つ時──勝つのは必ずわが軍なのだが、それから人生計画を立てる時が来る」 と述べた。(c)AFP/Mark ANDERSON