【1月16日 AFP】犯罪組織リーダーの脱獄を発端に治安が悪化しているエクアドルの当局は14日、7州の刑務所で人質となっていた刑務官ら計201人が解放されたと発表した。南部コトパクシ(Cotopaxi)州を残し、刑務所自体も奪還した。

 エクアドルでは7日、同国最大の犯罪組織「ロス・チョネロス(Los Choneros)」のリーダー、ホセ・アドルフォ・マシアス(Jose Adolfo Macias)容疑者が南西部グアヤキル(Guayaquil)の刑務所から脱獄。

 ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領は国内は「武力衝突」の状態にあるとし、犯罪組織の制圧を軍に命じた。

 刑務官ら職員の解放を受け、ノボア氏はX(旧ツイッター)に「軍、国家警察、矯正当局SNAIの愛国的でプロフェッショナルな勇気ある行動に感謝したい」と投稿した。

 8日に非常事態宣言と夜間外出禁止令を発令したノボア氏は、22のギャング組織に対して「戦争状態」を宣言。治安部隊2万2000人以上を街頭に配備し、ギャングメンバーであることを示すタトゥーを確認するために若い男性の服を脱がせ、身体検査をした。

 当局はこの作戦で1300人以上を拘束し、「テロリスト」8人が死亡、警官2人が殺害され、脱獄囚27人を再拘束したと報告した。

 エクアドルではしばしばギャングが刑務所を事務所代わりとし、麻薬の密売犯罪収益の管理や暗殺の指令を刑務所から行っている。また刑務所内でライバル組織との抗争を繰り広げ、2021年2月以来、計460人以上が死亡している。

 ノボア氏は収容人数3000人以上、最高警備レベルの刑務所2か所の建設計画を発表。また「刑務所船」を造る案も検討している。

 映像はエクアドル軍が撮影・提供。(c)AFP/Hervé BAR