【1月6日 AFP】昨年10月7日にイスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突が始まって以降、同自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でイスラエルの入植活動が「過去に例のないペースで急増」している。イスラエルの入植活動を監視するNGO「ピース・ナウ(Peace Now)」が4日、報告書で明らかにした。

 1967年からイスラエルに占領されている西岸では軍事衝突開始以降、イスラエルの入植地が新たに9か所確認され、暴力も急増している。

 西岸では約300万人のパレスチナ人が暮らす一方、49万人のイスラエル人も入植地で暮らしている。こうした入植地は国際法違反と見なされているにもかかわらず、イスラエルは承認している。

 ピース・ナウは報告書で、今回の紛争開始以降、新規入植者が「記録的な」数に上っているとした上で、西岸で一部入植者によるパレスチナ人を「排除する」動きが増加していると指摘。

 イスラエル軍が全権を持つ西岸の被占領地「C地域」に言及し、「入植者は3か月に及ぶガザ戦争を、C地域での広範囲の実効支配を既成事実にするのに利用している」との見解を示した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権では、入植推進運動の指導者数人が閣僚を務めている。同政権は、一部の入植計画を進めるのに有利となるよう「軍事的・政治的に寛容な環境」づくりに努めてきたとピース・ナウは指摘している。(c)AFP