【12月28日 AFP】イスラエルの警察は27日、東エルサレム(East Jerusalem)にあるイスラム教徒の墓地にロバの頭を置いて冒瀆(ぼうとく)したとして、イスラエル人の男(35)を逮捕したと発表した。東エルサレムは、イスラエルの占領地の一つ。

 警察は、男は「精神的に不安定」だったとしている。墓地に「ロバの首をつるして法を犯し、治安を乱す」男がいるとの通報を受けたという。

 SNSでは、ロバの頭が墓地のフェンスに置かれている様子を捉えた写真が出回った。

 墓地は、旧市街にある城門の一つ「黄金門(ゴールデンゲート、Golden Gate)」に隣接している。黄金門は、壁に囲まれた旧市街で唯一閉ざされたままとなっている門で、ユダヤ教ではメシアの出現で開き、ここからエルサレムに入るとされている。

 警察によると、男は逮捕時におのを所持していた。また、男を墓地に連れて行った別の容疑者も身柄を拘束されている。

 事件について、ワクフ・イスラム問題評議会(Waqf Islamic affairs council)は、「エルサレムにある歴史的なイスラム墓地の一つに対して行われた深刻な冒涜」と非難した。

 墓地は、イスラム教、ユダヤ教の双方にとって重要な場所であるアルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)にも近い。

 アルアクサ・モスクをめぐっては、イスラム組織ハマス(Hamas)は10月7日の奇襲について、主な目的に同モスクを守ることを挙げている。(c)AFP