【12月25日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のジェニン(Jenin)難民キャンプで暮らすマワヘブ・マレイさんは、相次いで身内を亡くし、悲嘆に暮れていた。ガザ地区(Gaza Strip)で苦境に置かれている親族は次々に亡くなり、そして、自身の15歳の息子も、イスラエル軍による10月25日の爆撃で命を落とした。

「息子をコートでくるんでやりたかった」とマレイさんはAFPに語った。毎年冬になると、息子のエイドさんが寒くないようにオーバーコートを着せてやっていたという。

「今は爆撃があっても、自分が生きるか死ぬかすらどうでもよくなった」と話す。

 イスラム組織ハマス(Hamas)が10月7日にイスラエル南部に越境攻撃し、民間人を中心に多数を殺傷したことへの報復として、イスラエル軍はガザを攻撃。マレイさんはガザで親族6人を失った。

 イスラエル軍は、ジェニン難民キャンプおよび隣接する町をたびたび狙い、ハマスとの銃撃戦を繰り返している。

 イスラエル軍は「テロリスト」を標的にしていると主張しているが、パレスチナの保健当局によれば、死者の中には多数の民間人も含まれている。

 エイド君が撃たれたと聞いたマレイさんは、数か所の病院を必至に捜し回った。ようやく見つけた時、エイド君は砲弾の破片で負傷し、気管挿管されて瀕死(ひんし)の状態だった。

「多くの罪のない子どもたちが命を落としている」とマレイさんは言う。

 ハマスの拠点とされるジェニン難民キャンプはもともと、1948年のイスラエル建国直後の第1次中東戦争で発生したパレスチナ難民を収容するために建設された。現在は2万3000人以上が暮らしている。

 ジェニンで取材を続けるAFP特派員は、銃撃を受けて弾痕が残るキャンプ内の建物や、がれきの中に子ども服が散乱する惨状を目の当たりにした。

 パレスチナの保健当局は、今回の衝突が始まって以降、イスラエル軍とヨルダン川西岸の入植者によって殺害されたパレスチナ人は300人を超えていると主張する。