【12月30日 AFP】ウクライナのアーティスティックスイミング(AS)選手、ウラディスラワ・アレクシーワ(Vladyslava Aleksiiva)とマリナ・アレクシーワ(Maryna Aleksiiva)の双子姉妹は、空襲警報が鳴る中、東部ハルキウ(Kharkiv)で厳しい練習を積んでいる。(※この記事は、2023年11月27日に配信されました)

 2021年の東京五輪でチームの銅メダルを獲得した二人は、2024年のパリ五輪へ向けた練習のため、現在は故郷の街へ戻ってきている。ハルキウはロシアとの戦闘の前線にも近く、爆撃も定期的に受けている。それでもチームはイタリアや首都キーウを経て、大学や文化で知られるこのウクライナ第2の都市へ帰ってきた。

 AFPの取材に対して、ウラディスラワは「空襲警報が鳴っている間は、何が起こっているか少し不安になる」と話し、割合に静かなキーウと比べて「戦争が続いているのを感じる」と語る。

 二人の両親や親族、友人も、冬の間に攻撃が激化するのではないかという恐怖の中、街で暮らしている。ウラディスラワは「去年の冬は何度も爆撃を受けた。これからどうなるかは分からない。だけど今のところは、ハルキウにとどまるつもりでいる」と明かした。

 珍しく練習が休みのこの日は、夫とマリナとの3人で緑豊かな市内の公園へ出かけ、コーヒーを楽しんだ。マリナのアパートではツナサラダのランチを取り、日本茶もごちそうになった。2月に結婚したウラディスラワ夫妻も、隣の建物に住んでいる。姉妹が家を買ったのは侵攻前だが、入居できたのは最近だ。

 マリナの家の2階にはレコードプレーヤーがあり、彼女はそれで祖父が持っていたピンク・フロイド(Pink Floyd)やビートルズ(Beatles)のアルバムをかけている。部屋のテーブルには、東京五輪の銅メダルなど、これまでに獲得してきたメダルが無造作に置かれている。