【12月21日 AFP】サッカークラブの会長が審判を暴行した事件により中断していたトルコリーグは19日に再開を迎えたものの、今度は飛び蹴りを伴う激しい乱闘が発生した。

 3部リーグのブルサスポル(Bursaspor)対ディヤルバクルスポル(Diyarbakirspor)戦では、民族間の緊張に満ちた2クラブの選手による乱闘があった。

 オンライン上で広まっている映像では、ホームのブルサスポルの選手が0‐2で敗れた試合後、ディヤルバクルスポルの選手に襲い掛かる様子が映っていた。

 ピッチ上での暴力行為とこれに伴うサポーター間の争いを鎮めるために、治安部隊が出動。いったん落ち着きが取り戻されると、主審はディヤルバクルスポルの選手に3枚、ブルサスポルの選手に2枚のレッドカードを提示した。

 ディヤルバクルスポルの本拠地ディヤルバクル(Diyarbakir)は、国内の少数民族クルド人の非公式な首都として機能している。これまでに、クルド人自治区のクラブやサポーターは、リーグ戦の試合中に度重なる暴力行為に巻き込まれている。

 トルコサッカー連盟(TFF)は、この件について公式声明を発表していない。

 また同日行われた1部リーグでも、審判への異議により試合が中断する事態が発生。トラブゾンスポル(Trabzonspor)の後半のゴールにつながったプレーで主審がファウルの笛を吹かなかったとして、ホームチームのイスタンブールスポル(Istanbulspor AS)の会長が、選手にピッチから退出するよう命じた。

 これでトラブゾンスポルが2‐1でリードしていた試合は中断。同リーグの規定では、試合を完了させられなかったチームは自動的に0‐3の敗戦扱いになる。

 先週、1部アンカラグジュ(MKE Ankaragucu)のファルク・コカ(Faruk Koca)前会長がハリル・ウムト・メレル(Halil Umut Meler)主審に殴りかかる事件が起き、全リーグ戦が中断となっていたが、その再開初日は大荒れとなった。

 TFFはその後、コカ前会長に永久追放処分、クラブに罰金などの処分を科している。(c)AFP