【12月19日 AFP】ドイツの首都ベルリンで18日、農業補助金の削減計画に抗議する大規模なデモが行われ、農業関係者数千人が市中心部をトラクターで占拠した。

 抗議デモの参加者は警察発表で6600人。ドイツ農民連盟(DBV)は8000~1万人としている。

 ドイツでは新型コロナウイルス対策予算を気候変動基金に転用した政府の措置について先月、違憲とする司法判断が下った。この影響で先週、農業用ディーゼル燃料の税控除廃止など補助金の削減が発表され、農家が反発している。

 DBVの代表は、ディーゼル燃料の税控除廃止は農家にとって年間10億ユーロ(約1560億円)以上の負担になると指摘。「これは宣戦布告だ。われわれは受けて立つ」と述べた。

 デモの参加者は、ベルリン中心部のブランデンブルク門(Brandenburg Gate)付近にある主要道路の一つを封鎖し、路上に肥料を投棄した。

 また、チェム・エズデミール(Cem Ozdemir)食糧・農業相を大声で非難したり、カウベルを鳴らしたりして抗議した。

 エズデミール氏は独公共放送ARDに対し、補助金の削減計画によって農業分野に「過度な」負担がかかることを認め、「そのような厳しい事態が起こらないよう、閣内で尽力している」と述べた。(c)AFP