【12月12日 AFP】猫の絵文字は多過ぎて、甲殻類は少な過ぎる──イタリアの保全生物学者らによると、今の絵文字は自然界の生物多様性を正しく反映しておらず、それが自然保護活動に悪影響を及ぼしている。

 学術誌「アイサイエンス(iScience)」に11日、現在使われている絵文字には多種多様な動物が含まれているが、植物、菌類、微生物はあまり扱われていないとする論文が掲載された。

 論文を執筆したミラノ大学(University of Milan)の研究者らは、「生物多様性の危機はインターネットの世界から遠いことのように思えるが、デジタル化が進む中、地球上の生物多様性に対する意識向上と理解促進における絵文字の可能性を軽視すべきではない」と指摘する。

 研究チームは、絵文字検索サイトの「エモジペディア(Emojipedia)」で、自然や動物に関する絵文字が2015年~22年でどのように変遷したかを調べた。

 これまでに確認された種の数は、哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類、硬骨魚類などの脊椎動物で8万 5000種に上る。一方、昆虫、クモ形類、甲殻類などの節足動物は130万種となっている。

 だが動物の絵文字については、脊椎動物が全体の76%を占め、節足動物は相対的に少なかった。

 研究者らはまた、サナダムシ(条虫)などの扁形(へんけい)動物は2万種以上、線形動物は2万種近くいるにもかかわらず、絵文字は一つもないと指摘した。

 ただ、絵文字の生物多様性は改善しつつある。

 20年にはミミズとみられる「蠕虫(ぜんちゅう)」の絵文字が追加され環形動物が、21年には赤いサンゴが追加され刺胞動物がそれぞれ表されたという。(c)AFP