【11月30日 AFP】オランダの首都アムステルダムは、パーティーや大麻カフェを目的に訪れ、泥酔して大騒ぎする粗暴な観光客を減らすためのキャンペーンを来年からさらに強化すると発表した。

 市は28日の発表で、アムステルダムは「何でもあり」の街というイメージが国内外で定着した結果、「刺激と下品な娯楽」ばかりを求め、ルールを守らなくてもいいと考える観光客が増えたと指摘した。

 そうした観光客はアムステルダムの「美しさや優しい人々、芸術や文化、ここにしかない店やイベント、街並みなどには関心がない」と苦言を呈した。

 市議会は、来年から2025年末までの新キャンペーンで「真のアムステルダムっ子」の姿を伝えていきたいとしている。

 アムステルダムには売春婦たちが客引きをする「飾り窓」で有名な赤線地区「ワレン(Wallen)」があるが、ここを目当てに訪れる男性観光客の粗暴な行動が長らく問題となっている。

 今年3月からは、主に18~35歳の英国人男性をターゲットに、アムステルダム旅行についてインターネットで検索すると警告が表示されるというキャンペーンが展開されたが、効果は限定的だった。

 さらに5月からは赤線地区での大麻の喫煙を禁止し、飲酒規制も強化。カフェやバー、買春宿の閉店時間を早めた。

 市はまた、赤線地区を郊外に新設する大規模「エロチックセンター」に移転する案も検討している。

 だがこの計画にはセックスワーカー(性労働者)を含めた人々からも反対の声が上がっている。セックスワーカーは移転よりも、特に夜間の治安改善や警察による監視強化を求めている。(c)AFP