【11月28日 AFP】タイで27日、ロイクラトン(Loy Kratong)祭りが行われた。首都バンコクでは今年、バナナの葉や花、プラスチックなどで作られた灯籠(クラトン)の代わりに、環境に配慮したバーチャル灯籠を流す試みが行われた。

 伝統的な灯籠は、バナナの葉や花、プラスチックなどで作られる。ろうそくや線香が立てられ、硬貨を載せる人もいる。このため近年では、環境意識の高まりから、すでにごみがたまっている水路がさらに汚染されるとの懸念が広がっていた。

 バンコク都庁は今年、伝統的な灯篭ではなく、バーチャルな灯籠を流すイニシアチブを発表した。

 参加者が紙や携帯上にカラフルな灯籠を描くとスキャンされ、オーンアン(Ong Ang)運河に投影される仕組みだ。

 参加者の女性(27)はAFPに対し「伝統は今も残っている。でも、自然への影響と汚染を減らすため、現代風にする必要がある」と語った。

 都庁によると、3700個のデジタル灯籠が投影された。

 一方、伝統的な灯籠も60万個を超えた。都庁によると、プラスチックの使用は昨年に比べ3%削減されており、大部分は自然素材でできている。

 チャオプラヤ(Chao Phraya)川に浮かべられた灯籠は、作業員によって回収された後、分別される。生物分解性の素材の物は堆肥とし、プラスチックは埋め立て地に送られる。(c)AFP