【11月16日 AFP】インド当局は15日、北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州で12日に起きた建設中のトンネルの崩落事故で、トンネル内に閉じ込められた作業員40人を救出するため、2018年にタイの洞窟から子どもたちを救出した専門企業に助言を求めていると明らかにした。

 現場ではがれきを撤去するとともに、全員生存が確認されている作業員のために脱出用トンネルを掘削している。

 ウッタラカンド州政府は、2018年にタイ北部チェンライ(Chiang Rai)県のタムルアン(Tham Luang)洞窟に少年サッカーチームのメンバー12人と監督が閉じ込められた事故に言及。「子どもたちを救出した会社に連絡を取った」と明らかにした。

 またノルウェー地盤工学研究所(Norwegian Geotechnical Institute)の専門家にも協力を要請したという。

 救助隊や警察関係者によると、作業員たちとの連絡は維持されており、食料と酸素が届けられたほか、15日には医師との協議の結果、パイプを通して薬が送られた。

 だが救助隊ががれきの撤去作業をしている間に、崩落したトンネルの天井からさらに多くのがれきが落下。14日には撤去作業をしていた側の作業員2人が負傷したという。

 空軍は15日、最初の添削機が故障したため、輸送機C130ハーキュリーズ(Hercules)で2機目を搬送した。

 関係者によると同日、トンネルの外では閉じ込められた作業員の同僚数十人が集まり、「救助作業の遅さ」に抗議した。

 エンジニアは重機を使い、直径約90センチの鉄パイプをがれきに打ち込み、貫通させようとしている。

 建設中だった4.5キロのトンネルは、ヒンズー教の聖地ウッタルカシ(Uttarkashi)とヤムノートリー(Yamunotri)へのアクセス向上を目的としたナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の肝いりプロジェクトだった。

 だが、ウッタラカンド州は全体的に土砂災害が発生しやすく、専門家は大規模な建設工事の影響について警告してきた。

 崩落部分の脇にいて難を逃れたという作業員の男性は14日、AFPの取材に対し、トンネル内で少量の土が降ってきていたが「誰もが軽く見ていた」「すると突然、大量のがれきが落ちてきて、トンネルは封鎖されてしまった」と語った。

 映像はインドの通信社PTIとウッタラカンド州警察より提供。12、15日撮影。(c)AFP