【11月5日 AFP】サッカースペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を率いるカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は4日、所属するビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)がスペインでの人種差別に「残念ながら慣れてしまっている」と話した。

 ブラジル出身のビニシウスはここ2シーズンで繰り返し人種差別に遭っており、前週行われたFCバルセロナ(FC Barcelona)との伝統の一戦「エル・クラシコ(El Clasico)」での差別疑惑では、バルセロナとリーグが調査に乗り出している。

 5月のバレンシア(Valencia CF)とのアウェーゲームで起こった差別では、世界中からビニシウスを支援する声が寄せられた。それでもバレンシアの地元紙は、うそをつくと鼻が伸びるディズニーキャラクターのピノキオにビニシウスをなぞらえ、「ピノキウスにはもううんざり」と同選手を攻撃した。

 アンチェロッティ監督は5日のラージョ・バジェカーノ(Rayo Vallecano)戦に向けた会見で、「彼は問題ない。残念ながら、この件に慣れてしまっているようだ」と明かし、「試合と自分の仕事に集中している。その件で、彼と何かを話す必要はない」と続けた。

 また、新加入のジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)がリーグ戦10ゴールを挙げてチームをけん引する一方で、ビニシウスは同胞ロドリゴ(Rodrygo Silva de Goes)とともに調子を取り戻せずにいる。

 それでも指揮官は、今週レアルと2027年まで契約を延長したビニシウスを擁護。すぐに得点感覚を取り戻すはずだと話し、「ロドリゴもビニシウスも、シーズン全体ではもっと得点してくれるだろう。間違いない」とコメントした。

「重要なのは、彼らがよくないときに、ベリンガムやホセル(Joselu)がいることだ。どちらもシーズン前半に非常に好調を保っている。しかしロドリゴとビニシウスも、いずれ問題なく得点を重ね始めるだろう。われわれは焦っていない」 (c)AFP