【11月2日 CGTN Japanese】中国初の太陽探査衛星「羲和(Xihe)号」の科学・応用システムの所在地である南京大学・太陽科学データセンターはこのほど、同衛星の2年間の観測データに基づき、一連のオリジナル研究成果を発表するとともに、初めて太陽表面の壮大な光景を収めた動画を作成して、太陽フレア発生のメカニズムを研究・解明するためのより多くのデータを提供しています。

「羲和号」は2021年10月14日に打ち上げられた中国初の太陽探査衛星です。同衛星はこの2年間、地球上空の高度517キロの太陽同期軌道を周回し、約95分間で地球を1周し、毎日地球を15周する間に、1周当たり約30分間、太陽に向けたCT検査を行ってきました。1回のスキャンで太陽面の1600万点のスペクトルの約10ギガバイト規模のデータを得るのに要する時間はわずか46秒です。同太陽科学データセンターはこの2年間で最終的に約400テラバイトもの研究データを取得し、国際的に初めてHαバンドの太陽面スペクトルを取得したほか、初めて中性鉄スペクトル線で強烈な白色光フレアを観測したほか、異なるレベルの太陽大気の自転速度を初めて定量的に取得しました。この成果は天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』で発表されました。

 中国科学院の院士で南京大学教授の方成氏は、「太陽でのフレア爆発、また黒点爆発・ジェット現象などは、地球上の磁場、ナビゲーション、通信、衛星、宇宙ステーションに影響を及ぼすもので、高エネルギーの粒子が放射された際には、宇宙ステーションにいる飛行士は船外活動をすることができない」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News