【11⽉1⽇ Peopleʼs Daily】中国はここ数年来、世界各国との協力により壮大な「宇宙シルクロード」を建設してきた。例えば中国が構築した北斗(Beidou)3号グローバル衛星測位システムは現在、230以上の国と地域、15億人以上のユーザーにサービスを提供している。

 モザンビークのシャイシャイ市では、2万ヘクタールにおよぶアフリカ最大級の稲作協力プロジェクトが実施されている。広大な耕作地の運営は困難だ。しかし実際にはドローンを飛ばし、北斗システムにより測位情報を取得することで、設定された経路に従って農薬を散布することができる。人手による散布面積が1時間にわずか約3ムー(約0.002平方キロ)だったのに対し、ドローンは1時間に100ムー(約0.067平方キロ)以上に農薬を散布でき、夜間にも作業できるため、作業効率が大幅に高まった。

 タジキスタン東部にあるサレス湖は世界で最も標高の高いせき止め湖だ。水をせき止めている土砂が崩壊すれば、大災害が発生することになる。

 中国の科学研究チームは北斗システムを利用したせき止め部分の変形監視システムを構築した。精度はミリ単位で、変形の状況を遠隔で常に監視し、早期警戒を行うことができる。同システムは、キルギスでの高速道路脇の斜面やタジキスタンでの雪崩の監視にも使われている。北斗システムはさらに、中国と中央アジアを結ぶ道路や原油パイプライン、中国と欧州を結ぶ貨物列車である中欧班列の運行管理にも応用されている。

 中国とエジプトは2014年12月、リモートセンシング衛星などの分野での協力協定を結んだ。中国はその後、エジプトで衛星の組み立てセンターや制御基地を建設し、エジプト人技術者の育成も行った。エジプトはこれらにより、アフリカ初の衛星を製造し、運用できる国になった。エジプトのラニア・アル・マシャット(Rania A. Al-Mashat)国際協力相は「エジプトだけでなく、アフリカ全体にとっても重要です」と述べた。

 中国は多くの国や地域と協力して、通信またはリモートセンシング衛星の共同開発や打ち上げ、衛星地上受信局などの宇宙インフラを建設し、現地の通信、農業、文化、環境保護、気象などの分野での役割を果たしている。

 中国はまた、平和利用、平等互恵、共同発展の原則を堅持し、中国の宇宙ステーションを国際社会に向けた、開放的な科学技術の協力と交流のプラットフォームにすることに注力している。中国有人宇宙飛行プロジェクトの林西強(Lin Xiqiang)報道官によると、中国と国連宇宙部(UNOOSA)が協力する最初の実験が中国の宇宙ステーションで始まる。中国と欧州宇宙機関(ESA)が共同で実施する宇宙応用プロジェクト10件も順調に進められている。

 中国の月探査プロジェクトはこのほど、国際社会に向けて嫦娥8号(Chang’e-8)の国際協力のチャンスを開放した。中国は各国と国際機関の参加と、協力を展開することで、より多くの重大で独創的な科学的発見を共同で実現することを歓迎する。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News