【10月25日 AFP】イスラエルのエリ・コーヘン(Eli Cohen)外相は24日、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長がイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への軍事行動を批判したことについて、「事務総長、あなたはどんな世界に生きているのか」と反発した。両氏はガザ情勢を協議する国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合に出席していた。

 イスラエルがイスラム組織ハマス(Hamas)による7日の攻撃に対する報復としてガザを攻撃したことについて、グテレス氏は明らかな国際法違反だと非難し、「人道的観点から即時停戦」を要請。さらに、ハマスの攻撃は「降って湧いた」出来事ではなく、パレスチナ人は「56年間にわたって息の詰まるような占領」に耐えてきたと指摘していた。

 グテレス氏の発言を受けてコーヘン氏は、「自身の存在を抹殺すると断言している相手と停戦に合意できるわけがない」と英語で述べた。

 ハマスの攻撃と占領を関連付ける発言に異議を唱え、イスラエルは2005年にガザから撤退し、同地区を「最後の1ミリまで」パレスチナ人に渡したと主張した。

 その後、記者団に対し、グテレス氏との会談をキャンセルしたと明らかにした。

 歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで知られるイスラエルのギラド・エルダン(Gilad Erdan)国連大使も、X(旧ツイッター)でグテレス氏の辞任を要求。同氏は「テロと殺人に理解を示している」と非難した。

 イスラエルは2005年、占領していたガザから完全撤退。代わりに翌06年には陸海空を封鎖し、組織ハマスが他勢力との抗争を経てガザを実効支配するようになると、封鎖を強化した。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)は、今もイスラエルの占領下に置かれている。(c)AFP