【10月1日 AFP】アジアを中心として活動する格闘技団体「ワン・チャンピオンシップ(ONE Championship)」の総合格闘技女子アトム級王者で、「アンストッパブル」の異名を持つアンジェラ・リー(Angela Lee)が引退を発表した。

 27歳のリーは、シンガポールで行われた「ONE Fight Night 14」に登場すると、自身の決断について発表。ケージ中央にチャンピオンベルトを置き、「きょうここへ来たのは、正式に引退を発表するため。信じられない8年間だった」と振り返り、「ファンと大会、(団体創設者のチャトリ・)シットヨートン(Chatri Sityodtong)、私のチーム、すべての人に感謝したい。ケージの内外で、とても多くの闘いがあった」と話した。

 シンガポールと韓国にルーツがあり、シンガポールと米国の国籍を持つリーは、2016年に19歳でアトム級の王座を獲得し、最年少の総合格闘技王者となった。しかし、同じくONEを戦場としていた妹で、18歳の新星ビクトリア(Victoria Lee)選手が昨年12月に死去して以来、試合を行っていなかった。最終戦績は11勝3敗だった。

 リーは発表後に舞台裏で、練習パートナーでもあった妹の死後、「あまりにも多くのことが変わってしまった」と説明した。シンガポールの地元紙によれば、今後は自身の非営利団体「Fightstory」に力を注ぐ予定だという。先日には自身もメンタルヘルスの問題を抱えていることを明かし、2017年にハワイで遭った自動車事故は、事故ではなく自殺未遂だったと明かしていた。(c)AFP