【9月29日 AFP】フィリピン沿岸警備隊は29日、南シナ海(South China Sea)の係争海域に中国が今後再び浮遊式の障害物(ブイ)を設置した場合、「いかなる手段を使っても」撤去すると表明した。

 28日には空から視察が行われ、中国との係争海域となっているスカボロー礁(Scarborough Shoal)の入り口に設置されていた長さ約300メートルの障害物がなくなっていることが確認された。

 比漁業水産資源局の航空機に同乗したAFP記者も、同礁上空を通過した際に、入り口をふさぐ障害物がないことを確認した。

 比沿岸警備隊は先に、大統領の指示を受けて、障害物といかりをつないでいたロープを切断。障害物は流されたとみられている。

 同隊の報道官は記者会見で、回収したいかりの横に座り、「今後数か月の間に、万一同じ障害物が設置されることがあれば、比沿岸警備隊はいかなる手段を使ってもその障害物を撤去する」と明言した。

 フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領は29日、問題について公の場で初めて言及し、政府は「もめ事を求めてはいない」としながらも、「フィリピンとフィリピンの領海、またわが国の漁民が数百年にわたり漁をしてきた海域で働く権利を守っていく」と強調した。

 中国は26日、比側に対し、「もめ事を起こす」のは自粛するよう警告していた。(c)AFP/Faith Brown and Cecil Morella