【9月29日 AFP】スペイン南部アンダルシア(Andalusia)州の学校で28日、14歳の少年が3人の教師と2人の生徒を刺す事件が起きた。スペインでこうした襲撃が起きるのは非常にまれ。

 事件が起きたのは、同州ヘレスデラフロンテーラ(Jerez de la Frontera)にある全校生徒687人の学校。警察によると、少年は授業開始直後に襲撃を開始、教師3人と生徒2人を刺し、その後3階で警察に発見された。犯行に使ったナイフ2本を所持していた。

 アンダルシア州のパトリシア・デル・ポソ(Patricia del Pozo)教育相は報道陣に対し、被害者5人のうち4人は軽傷で、目を負傷した教師1人には手術が必要だと述べた。

 複数の生徒によると、少年はまず同級生2人を刺し、目をけがした教師に襲い掛かった。さらに別の教室に駆け込み、犯行を繰り返したという。

 ある生徒は民放テレビ局ラ・セクタ(La Sexta)に対し、少年は「教室の後ろに向かって走って行くと、リュックサックを床に置いてナイフを2本取り出した。それから『殺してやる!』と叫び始めた」と語った。「みんなを追いかけまわし、みんなは運動場に逃げ出した」

 別の生徒は地元テレビ局カナル・スル(Canal Sur)に、少年は「全員を刺してやるといった顔をしていた」と話した。

 事件が報道されると、警察が封鎖した校門の外には保護者が駆けつけた。

 スペインは欧州諸国の中では暴力犯罪率が比較的低いことで知られる。

 だが、同国カトリック教会のトップ、フランシスコ・セサル・ガルシア・マガン(Francisco Cesar Garcia Magan)大司教は、スペイン社会は「極めて深刻な状況で、未来を考えると問題が多い」とし、今回の事件は「緊急に反省」を促すものだと指摘した。(c)AFP/ Daniel SILVA