【9月16日 AFP】南米コロンビアのグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領は15日、同国で最も有名なアーティスト、フェルナンド・ボテロ(Fernando Botero)氏が死去したと発表した。91歳。

「ラテン・アメリカのピカソ」と呼ばれたボテロ氏が描く、ふくよかで少しシュールなフォルムの女性やモチーフは、世界的に絶大な人気を誇った。

 娘のリナさんによると数日前から肺炎にかかり、住んでいたモナコで亡くなった。リナさんは「父はパーキンソン病との闘いで、歩くことも、コミュニケーションをとることも困難だったにもかかわらず、最後まで絵を描き続けた」と語った。

 生涯で残した絵画は3000点以上、彫刻は300点以上に上る。作品にはしばしば風刺や政治的なメッセージも込められていた。

 晩年も1日10時間は制作に没頭していたという。80歳になった2012年のAFPのインタビューでは、「おそらく残された時間が少ないことを知っているからだろう。死についてよく考えるし、この世を去って絵が描けなくなることを思うと悲しい。描くことをとても愛しているからだ」と答えていた。

 故郷のコロンビア・メデジン(Medellin)市は1週間の喪に服すことを宣言した。ダニエル・キンテロ(Daniel Quintero)市長によると、ボテロ氏の遺体は、今年初めに亡くなった妻でギリシャ人画家のソフィア・バリ(Sophia Vari)氏と共にイタリア・トスカーナ(Tuscany)州のピエトラサンタ(Pietrasanta)に埋葬される。(c)AFP/Herve BAR