【8月18日 AFP】2020年に当時米大統領だったドナルド・トランプ(Donald Trump)氏宛てに猛毒リシンを含ませた手紙を送ったカナダ人の女に17日、禁錮21年10月が言い渡された。

 女は今年1月、生物兵器の所持・使用禁止に違反した罪を認めていた。

 フランスとの二重国籍を持つパスカル・フェリエ(Pascale Ferrier)被告(55)は20年9月、トウゴマの種子から得られる猛毒の植物性タンパク質リシンをカナダ・ケベック(Quebec)州の自宅で製造。

 同月、リシンを含ませた手紙をトランプ氏に宛ててホワイトハウス(White House)へ送付したほか、テキサス州の当局者8人に送った。リシンによる被害者は出なかった。

 米司法省によると手紙には「脅迫的な言葉」が含まれ、トランプ氏が2期目を狙っていた同年の大統領選から撤退するよう要求していた。

 さらに手紙には「お前の新しい呼び名を考えた。『醜く滑稽な暴君』だ。気に入ってもらえるだろう」「これでうまくいかなければ別の毒を考える。そこへ行ければ銃を使うかもしれない。楽しみに待て」などと記していた。

 この手紙を送った時期、フェリエ被告はツイッター(Twitter)にも、誰かが「トランプの顔面を撃ち抜くべきだ」と投稿していた。

 また司法省によると被告には、19年にテキサス州で武器の不法所持による10週間の拘留歴があった。

 被告は手紙を送付した後の20年9月20日、ニューヨーク州バファロー(Buffalo)で入国審査の際に拘束された。乗っていた車からは銃と数百発の弾薬が発見された。(c)AFP