【8月10日 AFP】フィリピンのフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領は9日、南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)沖に座礁させた老朽艦について、同国が撤去を約束したとの中国の主張に対し、そのような合意は「承知していない」と反論した。

 フィリピンは1999年、中国の南シナ海進出を阻止する目的で、アユンギン礁(セカンド・トーマス礁、Second Thomas Shoal)で戦車揚陸艦「シエラマドレ(Sierra Madre)」を意図的に座礁させた。同艦は長年、両国間の火種となってきた。

 中国側はここ数日、フィリピン側が同艦の撤去を「繰り返し」約束したと主張している。

 マルコス氏は、大統領府広報部のフェイスブック(Facebook)ページに投稿された動画で、「フィリピンが自国の領土であるアユンギン礁から自国の艦船『シエラマドレ』を撤去するとの合意は承知していない」「たとえそのような合意があったとしても、直ちに破棄する」と強調した。

 AFPは在フィリピン中国大使館にマルコス氏の発言についてコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP