【8月1日 AFP】ブルガリアの首都ソフィアで7月31日、女性に対する暴力に抗議するデモが行われ、約5000人が参加した。同国では18歳の女性が元交際相手の男(26)に何百回も切り付けられる痛ましい事件が発生し、衝撃が広がっていた。

 同様のデモは国内各地で行われた。女性への暴力に対する抗議行動は同国では異例。

 18歳の女性は1か月前、元交際相手の男に何百回も切り付けられ、鼻の骨を折られ、髪の毛をそり落とされたと証言している。一方、男は容疑を否認している。

 審理を担当した中部スタラザゴラ(Stara Zagora)の裁判所は、女性は「軽傷」だと判断し、男の勾留を命じなかった。しかし、世論の圧力を受け、当局はその後、女性に脅迫メールを送っていたことを理由に男を拘束した。

 警察の統計によると、ブルガリアで今年1~3月に顔見知りの男に殺害された女性は18人に上る。女性の権利擁護団体は実際の犠牲者はもっと多いとみており、パートナーや元交際相手のドメスティックバイオレンス(DV)から女性を守るための法改正を求めている。

 ブルガリアは、女性に対する暴力の防止と撲滅を目的とした「イスタンブール条約(Istanbul Convention)」の批准を拒否している。(c)AFP