【7月2日 AFP】メキシコ南部の町サンペドロウアメルラ(San Pedro Huamelula)で、町長とワニの聖なる「結婚式」が行われた。地元住民に幸運をもたらす伝統行事だという。

 サンペドロウアメルラは、テワンテペク(Tehuantepec)地峡の近くにある、先住民チョンタル(Chontal)の人々が暮らす町。ビクトル・ウーゴ・ソーサ(Victor Hugo Sosa)町長は、花嫁衣装姿のワニと一緒に古くからの伝統行事に臨んだ。

 ワニは、中南米地域の湿地に生息するメガネカイマン。町長は「プリンセスガール」と呼ばれるこのワニへの忠誠を誓った。

「われわれは愛し合っている。大切なのは愛。愛がなければ結婚はできない。王女との結婚に応じる」

 人間の男と雌のワニの結婚の儀式は、二つの先住民グループが和平に至った日を祝い、過去230年にわたり行われてきた。

 言い伝えによると、当時のチョンタル王が先住民のウアベ(Huave)の王女と結婚したことで、対立していた両グループの不和が解消されたという。儀式では、サンペドロウアメルラの町長がチョンタル王、雌のワニがウアベの王女となる。

 映像は6月30日撮影。(c)AFP