【6月19日 AFP】アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は18日、中国・北京で秦剛(Qin Gang)外相と会談し、関係改善に向け対話を拡大することで合意した。会談は夕食を含め、予定を1時間超える7時間半に及んだ。米政権閣僚による訪中はここ約5年で初めて。

 会談は釣魚台迎賓館(Diaoyutai State Guesthouse)で行われた。両者は握手を交わしたものの、冒頭発言は公開されなかった。

 双方の関係者によれば、会談では秦氏がワシントンを訪問することで合意。新型コロナウイルスの感染拡大以降、制限されてきた両国間の航空便を増便することでも一致した。

 国務省のマシュー・ミラー(Matthew Miller)報道官は、ブリンケン氏は「誤解や誤算のリスクを減らすため、あらゆる問題について外交関係と意思疎通の窓口を維持することの重要性」を強調したと説明。会談については「率直で、中身を伴い、建設的なもの」だったと評価した。

 一方、国営中国中央テレビ局(CCTV)によると、秦氏は、米中関係は「国交樹立以来、最悪だ」とブリンケン氏に語り、「このままでは両国民の基本的利益に合致せず、国際社会の共通の期待にも応えられない」とくぎを刺した。

 台湾問題についても、「中国の『核心的利益の核心』であり、中米関係における最重要課題かつ最大のリスクだ」とけん制した。

 ブリンケン氏は訪問最終日の19日にも会談を行い、その後記者会見を開く予定。(c)AFP/Shaun Tandon and Matthew Walsh