【6月13日 AFP】男子ゴルフの米国ツアー(US PGA Tour)がサウジアラビアが後援するLIVゴルフリーグ(LIV Golf League)と事業統合することで合意したと発表した件について、米議会が12日に調査を開始した。調査委員会の責任者が明らかにした。

 上院常設調査小委員会で責任者を務めるリチャード・ブルーメンソール(Richard Blumenthal)上院議員は、今回の統合でサウジアラビア政府が果たす役割に問題があるのではないかと話している。

 同議員は米ツアーとLIVゴルフに宛てた書簡で、サウジアラビアには「国内外で深く憂慮すべき人権侵害の記録」があり、「サウジ政府の戦略目標を推進するためにスポーツへの投資を利用する」目的があると指摘。「米国の重要な機関を外国政府機関が支配することによってもたらされるリスク」があると述べ、両団体に対し、今月26日までに統合に関する書類の提出を求めた。

 LIVゴルフはサウジアラビアの政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から資金提供を受けており、1大会2500万ドル(約35億円)の賞金や契約金を武器に米ツアーの有名選手を引き抜き、2021年10月に発足した。これにはサウジアラビアの国際的なイメージを改善するために仕組まれた「スポーツウオッシング」だとする批判の声も上がった。

 サウジアラビアはゴルフ以外のスポーツでも成果を収めており、先日にはサッカー1部リーグのアル・イテハド(Al-Ittihad Club)が、仏スター選手のFWカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)と巨額の移籍金で3年契約を結んだ。(c)AFP