【5月22日 AFP】フィリピン・マニラの歴史ある郵便局で大規模な火災が発生し、建物が大きく焼失した。当局が22日、明らかにした。

 消防当局によると、火災は21日夜に発生。現場となったマニラ中央郵便局(Manila Central Post Office)には消防車80台以上が急行した。

 市内パシグ川(Pasig River)沿いの建物からは、黒煙が激しく上がり、鎮圧まで7時間以上を要した。

 郵便局のルイス・カルロス(Luis Carlos)局長は地元ラジオ局DZBBに対し、「地下階から5階部まで全ての階に火が回った」と説明。火災の原因は、現在調査中だとした。

 消火には首都各地から消防隊が駆け付け、ボランティア1人が軽傷を負った。

 中央郵便局は1926年に建てられた。最初の建物は、第2次世界大戦(World War II)中、日本の占領下にあったマニラを米軍が奪還した際に破壊された。公式サイトによると当時、マニラで「最も壮麗な建築物」と考えられていた時期もあったという。46年に現在の郵便局が再建された。

 国立美術博物館は2018年、郵便局を重要文化財に指定した。

 カルロス氏は館内には手紙や小包の他、発行切手の全コレクションが保管されており、これらが全焼した恐れがあると述べた。(c)AFP