【5月16日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)は15日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領のドイツ・ベルリン訪問を揶揄(やゆ)する投稿をしたとして、連盟副会長の一人を非難した。

 DFBユース部門の副会長を兼任し、独東部ザクセン(Saxony)州サッカー協会会長も務めるヘルマン・ウィンクラー(Hermann Winkler)氏は、14日にインスタグラム(Instagram)で、「元俳優」の訪問によって首都が封鎖されたと訴えた。その投稿では、ベルリン東部のトレプトウ公園(Treptower Park)にある旧ソ連の戦没兵士記念碑の写真も添えられており、街は「ほぼ封鎖され」、「観光客の立ち入りが一部禁止された」と訴えていた。

 ロシアによるウクライナ侵攻後では初めてとなるゼレンスキー氏のドイツ訪問を受け、同日のベルリン官庁街はアクセスが厳しく制限された。同地では、ゼレンスキー氏がドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相やフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領と会談した。

 DFBのベルント・ノイエンドルフ(Bernd Neuendorf)会長はこの日、ウィンクラー氏の発言は「耐え難く侮辱的である」と非難。ウィンクラー氏の心情は「連盟の原則とは相いれないもの」であると電話で伝えたことも明らかにした。

 ウィンクラー氏はその後、インスタグラムのアカウントを閉鎖。15日にはフェイスブック(Facebook)で謝罪し、発言内容は「記念碑の前で非常に感情的になってしまった」ためと説明した。

「こういうものは二度と書かない。そのことや不快な思いをさせてしまったことを謝罪する」

 ウィンクラー氏は以前、ザクセン州においてキリスト教民主同盟(CDU)の政治家として活動しており、その発言内容やロシアとの関係で批判を受けたことがある。

 DFBは来月12日にドイツ代表とウクライナ代表の親善試合を予定しており、その収益は全てウクライナに寄付されることになっている。(c)AFP