【4月16日 AFP】フィンランド国境警備隊は14日、ロシアとの国境沿いに建設を進めている延長200キロのフェンスの最初の3キロ部分を公開した。

 ロシアと1300キロにわたる国境を接するフィンランドが4日に北大西洋条約機構(NATO)に加盟したことで、NATOとロシアとの国境は約2倍に延びた。

 フェンスの高さは3メートル、上部には有刺鉄線が取り付けられる。建設費用は約3億8000万ユーロ(約560億円)で、2026年までの完成を目指す。

 この日、南東部のイマトラ(Imatra)検問所付近の建設現場が公開された。

 建設第1期を請け負う建設会社GRKのヤッコ・マケラ(Jaakko Makela)氏はAFPに対し「およそ1か月で、道路と基礎部分を造成した」と述べた。

 フェンス全体の約70%が南東部に敷設される。小規模なフェンスも、中部と北極地域ラップランド(Lapland)に設置される。

 国境警備隊のヤリ・トルッパネン(Jari Tolppanen)氏はAFPの取材に対し、フェンス建設について「欧州の安全保障状況の変化によって必要となった」と指摘。対ロシア国境管理に関しては効率性重視の考え方を見直す必要があるとし、「大規模な侵入を阻止するのに効果的かつ安全な唯一の方法」はフェンス建設だと強調した。

 建設現場から約6キロ離れたイマトラの住民、シニッカ・ラウツィアラさんは「とても良いことだと思う。もっと前に建設していれば良かったのに」と語った。一方、ピルヨ・パンカライネンさんは「どうしても必要だったわけではない」と話すなど、住民の間では意見は割れている。(c)AFP