■絶滅の危機

 以前はカスピ海(Caspian Sea)などで天然物のチョウザメがたくさん捕れたが、乱獲で絶滅寸前に追い込まれた。今はほぼ全てが養殖物で、ほとんどは中国産だ。

 フランスではジロンド(Gironde)川で数百年前から捕獲されていたが、卵は子どもか老人が食べるか、豚の餌になるかだった。

 パリでキャビアが珍重されるようになったのは、ロシア革命を逃れたロシア貴族がフランスへ亡命してきた後、1920年代にアルメニアからの移民のペトロシアン(Petrossian)兄弟の説得を受けた高級ホテル「リッツ(Ritz)」が提供するようになってからだ。

 フランスにおける養殖は1990年代に始まったばかり。量では中国に勝てないため、持続可能で健全な養殖に力を注いでいる。

 ストゥーリアでは、超音波で無益な殺生を避け、身はリエットパテに、皮は皮革製品に、ぼうこうはバイオリン職人向けの特殊な接着剤に活用している。