【12月9日 AFP】22-23フィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナルは8日、イタリア・トリノ(Turin)で開幕し、日本勢は男子シングル・ショートプログラム(SP)で宇野昌磨(Shoma Uno)を筆頭にトップ3を独占したほか、ペアSPでも三浦璃来(Riku Miura)/木原龍一(Ryuichi Kihara)組が首位に立つなど躍動した。

 今年の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2022)王者の宇野は、米ギタリストのジョン・メイヤー(John Mayer)の楽曲「Gravity」に乗せた演技で、冒頭に圧巻の4回転フリップを披露し、トリプルアクセルでジャンプを締めくくった。

 100点の大台にあと一歩と迫るシーズンベストの99.99点を記録した宇野は「(コーチの)ステファン(・ランビエール<Stephane Lambiel>氏)と2人で心地よい大会にできたら」とし、「練習の成果がしっかりと出るショートだった。久々に充実感を持って、この大会に臨めている」とコメントした。

 素晴らしいパフォーマンスを披露した宇野に続き、山本草太(Sota Yamamoto)が94.86点で2位、三浦佳生(Kao Miura)が87.07点で3位の好位置でフリースケーティング(FS)に臨むことになった。

 地元ファンが応援するダニエル・グラスル(Daniel Grassl、イタリア)が80.40点の4位につけた一方で、ジュニア世界選手権(ISU World Junior Figure Skating Championships)の王者で今季のGPシリーズでも総合トップでファイナル出場権を獲得したイリア・マリニン(Ilia Malinin、米国)は、トリプルアクセルで手をつくなどして5位の80.10点にとどまった。佐藤駿(Shun Sato)は、76.62点の6位発進となった。

 ペアSPではGPシリーズ総合トップの三浦/木原組が最後に登場し、米歌手エルビス・プレスリー(Elvis Presley)とマーカス・マムフォード(Marcus Mumford)のメドレーにアレンジされた「You'll Never Walk Alone」に乗せて珠玉のルーティンを披露した。

 ブルーノ・マルコット(Bruno Marcotte)氏とメーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)氏に師事する同ペアは、3回転ルッツのスロージャンプで三浦が着氷をこらえる場面があったものの、9日のFSに向けてトップの78.08点を記録した。

 初めてのGPファイナルで「始まる前はすごく緊張していた」という三浦は、「普段は(木原に)緊張しているとは言わないけれど、今回はそう話したら『これがゴールじゃないから失敗しても大丈夫』と言ってくれた。だから、緊張感はあったが自信を持って挑むことができた」と語った。(c)AFP