【10月31日 AFP】南アフリカで29日、国内最大の民族集団ズールー(Zulu)人の新たな王が正式に即位した。港湾都市ダーバン(Durban)の収容人数8万5000人のサッカースタジアムでは、祝賀式典が盛大に行われた。

 式典では、シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領がミスズールー・カ・ズウェリティニ(Misuzulu ka Zwelithini)王(48)に額に入った大きな証書を手渡し、即位を承認した。

 大統領が「私たちの王は唯一、正統なズールーの王だ」と語ると、会場からは大きな歓声が上がった。王は「平和と和解」を促進し、発展に向け貢献すると宣言した。

 昨年3月に亡くなった前のグッドウィル・ズウェリティニ(Goodwill Zwelithini)王の在位期間は50年以上にわたった。今回のような式典が行われるのも半世紀超ぶりで、ラマポーザ大統領は「この歴史的瞬間には一生に一度しか巡り合えない。私たちの多くは再び目にすることはないだろう」と述べた。

 ズールーの王は執行権を持たないが、南ア総人口の約5分の1に相当する1100万人以上のズールー人に大きな影響力を持つ。(c)AFP/John MKHIZE and Marco LONGARI