【10月22日 AFP】ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は21日、北京冬季五輪でドーピング問題が発覚したフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)について、裁定内容などは「機密事項」として公表しないことを明らかにした。

 ワリエワは当時15歳で出場した2月の北京五輪で女子選手として五輪初の4回転ジャンプに成功し、ロシア五輪委員会(ROC)の団体戦金メダル獲得に貢献した。しかし、昨年12月の検査でトリメタジジン(Trimetazidine)に陽性反応を示していたことが後日発覚。トリメタジジンは狭心症の治療薬だが、持久力を高める効果があることから禁止薬物に指定されている。

 RUSADAはワリエワの個人名は挙げず、「要保護者」であるフィギュアスケーターの「利益を守る」ため、「違反内容や最終的な決定を含め、結果に関連するすべての過程や手続きは機密事項とする」と発表。「この件に関する聴聞会の日程や決定、その他の詳細については公表しない方針だ」とした。

 違反が発覚した当時ワリエワは16歳未満だったため、要保護者の対象となっている。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、ワリエワの年齢を理由に、北京五輪の出場継続を認める裁定を下した一方で、ドーピングの嫌疑を晴らすことはしなかった。

 そうした中で個人戦に出場したワリエワは、転倒を繰り返して4位に終わった。また、国際オリンピック委員会(IOC)は、同選手の問題が解決されるまで団体戦のメダル授与は行わないことを決めた。(c)AFP