【10月6日 AFP】米俳優アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)さんが昨年10月、主演映画の撮影中に小道具の銃を誤射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンス(Halyna Hutchins)さん(42)が死亡した事故で、ボールドウィンさんは5日、訴訟を起こしていた遺族と和解に達したと発表した。

 事故は、米ニューメキシコ州で行われていた西部劇映画『ラスト(Rust、原題)』の撮影現場で発生。リハーサル中、ボールドウィンさんが持っていたコルト(Colt)製拳銃から実弾が発射され、ハッチンスさんが死亡した。

 ボールドウィンさんはインスタグラム(Instagram)への投稿で、「きょう、撮影監督ハリーナ・ハッチンスさんの遺族が起こした民事訴訟で和解に達したと発表できることをうれしく思う」と表明。「この困難なプロセスを通じ、誰もがハリーナの息子のために最善を尽くしたいという思いを持ってきた」と説明した。

『ラスト』の製作陣は合わせて、同作の製作を来年1月に再開すると発表。ハッチンスさんの夫マシュー(Matthew Hutchins)さんが製作総指揮を務めるとした。

 マシューさんは、「非難の応酬や、(製作陣やボールドウィンさんに対する)責任追及に関わる気はない」と述べ、「皆、ハリーナの死は恐ろしい事故だったと考えている」と説明した。事故で負傷したジョエル・ソウザ(Joel Souza)監督は、同作の製作を通して「ハリーナの遺産を尊重し、彼女の誇りになるように」努めると表明した。

 捜査当局は事故をめぐる刑事訴追に至ってはいないが、ボールドウィンさんを含む関係者に対する訴追の可能性は否定していない。(c)AFP