【9月10日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー協会(NFSBiH)は9日、ロシア代表と11月に敵地サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で親善試合を行うことに合意した。この決定には、ボスニア国内で激しい批判の声が上がっている。

 協会は発表文で、11月19日に親善試合を行うというロシアサッカー連合(RFS)からのオファーを承諾したと明らかにした。

 ロシア代表はウクライナ侵攻により、W杯カタール大会(2022 World Cup)を含め、国際サッカー連盟(FIFA)および欧州サッカー連盟(UEFA)主催の全大会から除外されている。

 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFで、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)やスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)などでプレーした実績を持つミラレム・ピャニッチ(Miralem Pjanic)は、この件について「良い決断ではない」とし、「代表チームが良いプレーをし始めているときに、いつも何か悪い方向に進む。言葉がない。NFSBiHは、僕の立場を分かっている」と母国のスポーツサイトに語った。

 首都サラエボのベンジャミナ・カリッチ(Benjamina Karic)市長も、協会の決断を猛批判し、計画を撤回しなければ協力を打ち切ると警告した。

 サラエボは1990年代に起きた残酷な紛争においてセルビアに包囲された経験があり、カリッチ市長は今回の動きはボスニアの「信用を失墜させる」ものだとし、「サラエボは長年、侵略者に包囲されていた都市であり、自分はその市長として、ロシアと親善試合を行うというサッカー協会の決断を強く非難する」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。(c)AFP