【9月1日 AFP】インド当局は8月31日、公営医療施設で不妊手術を受けた女性4人が死亡、9人が入院したと明らかにした。

 インドは急増する人口の抑制策として70年にわたって不妊手術を実施してきた。しかし、1975年に貧しい未婚男性を中心に600万人以上に不妊手術を強制するなど、強制性や手術ミスをめぐって物議を醸している。

 南部テランガナ(Telangana)州の医療当局者が匿名を条件に語ったところによると、8月25日に30人余りの女性が公営医療施設で不妊手術を受け、うち4人が先週末に亡くなった。死因は敗血症とみられている。さらに、9人が合併症で治療を受けている。

 当局によると、女性は全員20代とされる。

 州政府は、医師の過失が原因だと主張する小規模な抗議デモを受け、遺族に50万ルピー(約88万円)と住宅1軒を提供すると約束した。

 インドの人口は14億人以上で、来年には中国を抜いて世界最多となる見通し。

 インドでは、広大な農村地帯を中心に不妊手術を行う医療施設がよく見られるが、手術ミスも頻発。不衛生な器具や使用期限切れの薬の使用による「医療過誤」が原因だとの批判の声も上がっている。

 政府統計によると、2014~15年に不妊手術を受けた人数は、女性400万人以上、男性10万人だった。12~16年には、530人近くが公営医療施設で不妊手術を受けて死亡した。(c)AFP