【8月10日 AFP】ロシア軍は占拠するウクライナ南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所をクリミア(Crimea)半島の電力網に接続する準備を進めている。ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)が9日、明らかにした。

 エネルゴアトムのペトロ・コーチン(Petro Kotin)社長はウクライナのテレビ局に対し、「ザポリージャ原発に駐留するロシア軍は、同原発をクリミア半島の電力網に接続することを目的とした(ロシア国営原子力企業)ロスアトム(Rosatom)の計画を遂行している」と述べた。

 続けて「そのためにはまず、同原発とウクライナの送電網をつなぐ送電線を破壊する必要がある。ロシア軍は8月7~9日に送電線3本を破壊した。同原発は現在、送電線1本のみで稼働しており、極めて危険だ」「最後の送電線が切断されれば、同原発の電力はディーゼル発電機で賄うことになり、発電機の信頼性と備蓄燃料に完全に依存することになる」と説明した。

 ザポリージャ原発には、ウクライナの原子炉15基のうち6基があり、400万世帯分の電力を賄うことができる。(c)AFP