【7月21日 AFP】フランス政府は20日、石油・ガス価格の記録的な高騰を受け、休暇中はWiFiルーターのコンセントを抜くなどの節電を市民に呼び掛けた。

 オリビエ・ベラン(Olivier Veran)政府報道官は、定例閣議後の会見で「一人の少しの節電が、秋冬に確実に使えるエネルギーになる」とし、「週末や休暇で家を離れる際は、できるだけ多くのコンセントを抜いてほしい。コンセントを入れたままだとエネルギーを消費し続けるからだ。特にWiFiのコンセントは抜くべきだ」と訴えた。

 今回の節電要請の背景には、ロシアがガス供給を削減または完全に停止すれば、年内にもエネルギー不足となるという懸念がフランスなど欧州に広がっていることがある。

 通常冬よりも電力消費が少ない夏の間に、ガス貯蔵施設での備蓄を進めようと急いでいる国も多いが、最近の熱波によるエアコンの使用で電力需要は増加している。

 ベラン氏は「日々の努力が、われわれのエネルギー消費に実際的な影響をもたらす」と強調した。

 フランスは、電力の約3分の2を原発で賄っており、他国よりもロシアによるウクライナ侵攻の影響は限定的だ。

 だが、年間インフレ率は6%近くに達しており、政府は物価上昇に直面する低所得世帯支援のため、新たに200億ユーロ(約2兆8000億円)規模の支援策を成立させようとしている。(c)AFP