【7月10日 AFP】深刻な経済危機下、国民の不満が高まっているスリランカで9日、ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領が辞任の意向を表明した。その数時間前、デモ隊が最大都市コロンボ(Colombo)にある大統領公邸を占拠した。大統領はすでに公邸から避難していた。

 数万人規模のデモ参加者がこの日、コロンボに集まり、経済危機や食料・燃料不足をめぐってラジャパクサ大統領の辞任を求める抗議行動を展開。一部が大統領公邸になだれ込んだ。大統領はコロンボ港で海軍の艦船に乗り、海上に避難していた。

 大統領に対しては、これまで数か月にわたって辞任圧力が高まっていた。マヒンダ・アベイワデナ(Mahinda Abeywardana)議会議長はテレビ演説で、「平和的に権力の移行を進めるため、大統領は7月13日に辞任する」と発表した。

 ラジャパクサ氏の最有力後継者とされるラニル・ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相も、他の政治指導者と会合を開き、「統一政府」の発足に向け辞任する意向を伝えた。

 スリランカでは生活必需品を輸入するための外貨が底をつき、数か月にわたって必需品や電力が不足。インフレが急速に高進している。

 大統領府前ではデモ隊が数か月前から野営し、大統領の辞任を求めていた。(c)AFP/Amal JAYASINGHE