■反響を呼んだ「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」

 1977年にピストルズが発表した、君主制をやゆする曲「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」は、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の即位25周年とタイミングが重なり、大きな反響を呼んだ。

 ボーカルのジョン・ライドン(John Lydon、当時はジョニー・ロットン〈Johnny Rotten〉の名前で活動)と2人のプロデューサーは暴漢にカミソリで襲われ、モリス氏もライドンと一緒にいたところを王室支持派に「追い掛け回された」ことがある。

 現在、米国籍を取得し、66歳になったライドンは、先日行われた女王在位70年のプラチナジュビリー(Platinum Jubilee)を祝うストリートパーティーに参加した。制度としての君主制は今も嫌悪するが、96歳の女王のことは「心から尊敬」していると語った。

 モリス氏も同意見だった。「女王は非常に若くして即位し、長きにわたってその役割を果たしてきた。並大抵のことではない」

「ピストルズのメンバーは誰も(王室に)異議を唱えていたわけではなく、これをやれば世間を騒がせるんじゃないかということをやっただけだ。親たちは皆、女王の写真やイエス・キリスト(Jesus Christ)の絵を壁に張っていた。(そういうものへの)ちょっとした反抗だった」 (c)AFP/Helen ROWE