字幕:戦場でもビーガン、ウクライナ兵に食事支援
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【6月23日 AFP】ウクライナ兵のオレクサンドル・ジュハン(Oleksandr Zhuhan)さん(37)は、南部ミコライウ(Mykolaiv)州の前線でも、ビーガン(完全菜食主義者)を貫いている。
演劇教師のジュハンさんは、ロシアがウクライナに侵攻した翌日に入隊した。
戦場では特別な食事は手に入らないから「耐えられないだろうとみんなに言われた」と、兵舎からビデオ通話でAFPの取材に応じたジュハンさんは語った。肩にはライフルがかかっている。
だが、自分の食生活が妨げになって国のために戦えないということはないと主張する。
インターネットでビーガンの兵士を支援する活動家のネットワークを見つけ、連絡を取った。
「4月に初めの荷物が届いた。奇跡だ」「パテやビーガンソーセージ、フムス(ひよこ豆のペースト)、豆乳が入っていた。しかも全部無料だ」とうれしそうに言った。
ジュハンさんの受け取った兵士向けビーガン食品は、元トップモデル、タマラ・フーマン(Tamara Human)さんが手掛けている。
フーマンさんの主催する「エブリ・アニマル(Every Animal)」は、厳格な菜食主義と動物やその搾取につながる衣料品や化粧品を利用しないことを掲げており、約100人のメンバーがいる。
現在は約200人の兵士を支援している。
「爆撃されても、届ける」。ボランティア2人と市民向けのブルグル(ひき割り小麦)とダンプリングを用意しながらフーマンさんは語った。
首都キーウのルサニウカ(Rusanivka)のフーマンさんの住むアパートが、兵士向けビーガン食品の物流拠点となっている。
フーマンさんは「私たちが送る荷物によって、兵士たちは2~3週間、軍から受け取る食事を補うことができ、バランスのとれた食事が取れる」と語った。
菜食主義と前線で戦うことに矛盾はないと語る。「私もロシア人と戦いたいけど武器の使い方を知らない。ここにいた方が役立つ」
映像は7日撮影。(c)AFP