【6月4日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

太陽光で貧困層の電気代削減、スラムの発電プロジェクト ブラジル

 ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のファベーラ(スラム街)では、再生可能エネルギーを利用し、貧しい人々の電気料金を下げる取り組みが行われている。

 コパカバーナビーチ(Copacabana Beach)を見下ろすように広がるファベーラで、地域組合代表を務めるステファノ・モッタ(Stefano Motta)代表は「ファベーラでは、電気料金を払うか、食品を買うか、どちらかしか選べないといったことがあまりにも多い」と話す。

「ファベーラ太陽光発電プロジェクト」では、地域組合の建物に太陽光パネルを設置。現在はパネル60枚から直接、電力網に電気が供給される。それと引き換えに電力会社は、組合に参加する34世帯に電気料金の割引を実施している。

 ブラジル電力エネルギー庁(ANEEL)によると、国内の一般家庭の平均的な電気代は、昨年の7%増に続き、今年も21%増となる見通しだ。

ブラジル・リオデジャネイロ南部バビロニア地区にあるファベーラ(スラム街)で、自宅の電力メーターの横に立つ住民(2022年4月8日撮影)。(c)AFP/MAURO PIMENTEL

たばこ産業の環境への影響は「衝撃的」 WHO

 世界保健機関(WHO)は先月31日、たばこ産業が世界最大規模の環境汚染を行っていると非難した。たばこは膨大なごみを発生させ、温暖化を加速させるなど、多くの人が考えるよりもはるかに大きな脅威だとしている。

 WHOが「世界禁煙デー(World No Tobacco Day)」に合わせ公表した報告書によると、たばこ産業のために毎年約6億本の木が伐採されている。さらに、タバコの葉の生産と製品製造のため毎年20万ヘクタールの土地と220億トンの水が使用されている。CO2排出量は約8400万トンに上る。

 WHOのヘルスプロモーション部門責任者リュディガー・クレッチ(Ruediger Krech)氏はAFPに対し、報告書の内容は「極めて衝撃的だ」とし、たばこ産業が知る限りで最大規模の汚染を行っていると非難した。

たばこの吸い殻(2019年5月7日撮影、資料写真)。(c)PATRIK STOLLARZ / AFP

ハイテク栽培ドリアン、ドローンなど最新技術駆使で収穫増 マレーシア

 マレーシアのドリアン農園「トップフルーツ・プランテーションズ(Top Fruits Plantations)」では、ハイテク機器を使って収穫量を増やしている。

 ハイテク栽培のカギとなるのは、面積約280ヘクタールの農園のうち約160ヘクタールをカバーするセンサーだ。土壌の質などを測定し、作業員が携帯する機器にデータを送信する。

 肥料をまくスプリンクラーは、ネットワークに接続されていて、遠隔操作が可能。また、ドローンが上空から農薬を散布する。

 マレーシアのドリアン農家は、多くの手間と勘、経験に頼っており、ハイテク機器を駆使する農園はここだけだ。ハイテク機器を使うことで、ドリアンの木が必要とする肥料や水の量をいままでもよりも正確に測ることができるという。

マレーシア南部バトゥパハのトップフルーツ・プランテーションズのドリアン農園で、農薬散布のためドローンを操作する作業員(2022年4月26日撮影)。(c)Mohd RASFAN / AFP

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