【今週のSDGs Picks】飢えるイエメンの子どもたち 枯渇する支援資金
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【3月20日 AFP】中東イエメン北西部にある国内避難民キャンプのテントの中、金属むき出しのベッドの上で息苦しそうに泣くランダちゃん。3歳になるが、体重は新生児と変わらない。
戦乱で引き裂かれたイエメン全土では、数百万人が飢えに直面している。ここハッジャ(Hajjah)県に暮らす多くの子どもたちも同様に苦しんでおり、ランダちゃんもその一人だ。
重度の急性栄養失調に陥っているランダちゃんをさらに苦しめるのが、両親とともに収容されているクダシュ(Al-Khudash)キャンプの窮状だ。
政府側勢力と親イラン武装組織フーシ派(Huthi)との7年に及ぶ内戦で、イエメンは飢餓の瀬戸際に立たされている。
数十万人が命を落とし、数百万人が家を失ったとされる戦禍を、国連(UN)は世界最悪の人道危機と呼んでいる。
その国連も、傘下の支援機関の資金が枯渇しつつあり、「人命救助」プログラムを削減せざるをえないと繰り返し訴えている。
国連は昨年、緊急支援のために38億5000万ドル(約4500億円)の拠出を求めたが、オンラインでの誓約会議で提示された金額はわずか17億ドル(約1990億円)だった。
犠牲を強いられているのは、現在体重が4キロしかないランダちゃんのような子どもたちだ。「薬はこの子の役に立ちませんでした」とランダちゃんの母親、サレハ・ナセル(Saleha Nasser)さんはAFPに語った。
現地の診療所はナセルさん一家に、約150キロ離れた首都サヌアにある病院へ行くことを勧めた。「でも、連れていくお金がありません」